風邪をひいたわけでもないのにいつも喉に何かが引っかかっているような違和感を感じさらに病院で検査をしても原因が分からないということがよくあります。この場合、咽喉頭異常感症と呼ばれたり、ヒステリー球だったり、梅核気と呼ばれたりさまざまな言われ方をするようです。

見た目には何も変わりがないので、まわりからはなかなか理解されにくい悩みですが、喉の周辺の不調や違和感は食事をはじめ呼吸や発声など日常生活において様々な場面に影響を及ぼすため、症状を感じている本人にしてみればとても辛い症状です。

病院での検査などで特に異常や器質的な変化の見られない喉の違和感の場合、原因の多くはストレスと言われています。他にも更年期障害や自律神経失調症、うつ病など精神的症状の目立つ病気に見られることが多く、心理的に大きなストレスがかかった場合に喉の違和感が悪化する傾向にあります。

このサイトでは見た目にはなかなか理解されにくいこの喉の違和感について当院の見解や対処法、セルフケアの仕方、実際の施術方法などを紹介していきます。

まず喉の違和感は明らかに腫瘍のようなものがないことを確認することが大事なことです。腫瘍のようなものがない場合も喉の違和感を引き起こす原因には様々のものがあります。咽頭や鼻の炎症や喉のアレルギーが上げられます。アレルギーがある場合喉の奥がかゆいような感じがしたり、髪の毛や毛糸のような異物が張り付いたような感じがして咳が出たりします。さらに、喉に胃液が逆流してくることで起きる違和感もあります。

「腫瘍、炎症、アレルギー、胃液」喉の違和感を感じて病院へ行き、鼻や喉の検査をしてもこれらのような異常が見つからないと原因不明とされ「精神的なもの」「心の持ちよう」とそれだけで片付けられてしまうケースが多いようです。

しかし、そんな病院で原因不明と言われた「喉の違和感」は鍼灸の施術により改善できる可能性が大いにあります。

当院では喉の違和感の原因の多くを首周辺の筋肉の緊張と考えています。

喉の違和感を訴える患者さんを観察すると首や肩の筋肉が緊張している方が非常に多いことが分かります。特に喉の通り道周辺にあたる首の前側の筋肉が硬くなると喉に違和感を感じるようになります。

喉の通り道というと、食べ物の通り道である食堂や呼吸の通り道になる気道を連想される方が多いと思いますが、喉の違和感を解消しようとする場合、喉の通り道は「首」になります。首の状態を整えると喉の違和感は解消されます。反対に首の状態が良くないと、いつも何かが引っかかっている感じや声が出しづらい、モノが飲み込みづらいなどの喉の違和感として感じるようになるのです。

当院ではセルフケアとして喉の通り道を整える為に有効なツボをお伝えしています。首の状態を整えるツボの一つに「合谷」というツボがあります。「合谷」の場所は親指と人差し指の間の指の付け根部分、やや人差し指よりにあります。この「合谷」を指で押したりシール鍼やお灸をすることで喉の違和感が起こることを予防します。

それ以外にもストレスが影響が大きいとされているので、バランスのとれた食事、質の良い睡眠、適度な運動なども心がけてください。

喉に何かが引っかかっているような違和感を感じて病院を受診し特別な異常が見られなかった場合、原因不明とされ「ヒステリー球」や「咽喉頭異常感症」などとの診断を受けた方も多いのではないでしょうか。

また東洋医学では「梅」の種が喉に貼り付いている様な感じがすることから、「梅核気(ばいかくき)」と呼ばれたりします。

その場合、一般的にはストレスや自律神経の乱れが原因と考えられている為、治療法として心理療法(カウンセリング)や薬物療法(抗不安薬・抗うつ薬)などが行われることが多いようです。

これらの治療では、なかなか改善されず症状が長引くケースがあることも事実です。

当院では原因不明の喉の違和感を診るときに、首や肩、背中の筋肉の状態に着目します。とくに喉の周辺の首の筋肉が硬く凝り固まると喉の通り道が圧迫されて違和感を感じ始めるようになります。

実際「喉の違和感」を訴える患者さんの多くは、首こり・肩こりを感じている方が多いです。

心と体は密接な関係にあり、切り離して考えることはできません。精神的なストレスを感じると交感新神経が活発に働き全身の筋肉は緊張します。特に首や喉周辺の筋肉はストレスの影響を受けやすい繊細な部分です。

喉の違和感を解消するためにこの喉周辺の筋肉、特に喉の通り道となる「胸鎖乳突筋」の緊張を緩和することが欠かせません。

当院では、この緊張した胸鎖乳突筋を鍼を使用して緩めます。ただ胸鎖乳突筋は直接マッサージしたり、鍼を打ってもなかなか緩ませることはできません。強い刺激はむしろ逆効果で症状を悪化させることもあります。

当院の行う整動鍼では症状のある患部に鍼を刺すようなことはしません。喉の違和感の場合、胸鎖乳突筋に直接鍼を打つようなことはせず、全身にあるツボの中から胸鎖乳突筋や首の筋肉を緊張させている原因点（ツボ）を選びだし、緩めようとする筋肉をピンポイントに狙うことが可能です。

喉の違和感で治療にかかると、自律神経を整える目的で薬を処方させたり、全身調整と銘打ち全身のマッサージをしたりとしますが、改善すべきは全身の状態ではなく首の状態です。症状の原因となる筋肉を効果的に狙い改善することのできる鍼治療は喉の違和感の治療において最も効果的な治療法の一つと言えます。

当院ではこれまで多くの『喉の違和感』を訴える患者さんと向き合い症状を改善してきました。鍼灸治療が喉の違和感において有効であることが一般的にもっと認知されれば理解されにくい喉の違和感で悩む方が減ることと思います。喉の違和感で悩んでいる方はお気軽にご相談ください。ご縁のあったあなたの力になれれば幸いです。